Project/Area Number |
20013009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University (2009) The University of Tokyo (2008) |
Principal Investigator |
武川 睦寛 Nagoya University, 環境医学研究所, 教授 (30322332)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥12,600,000 (Direct Cost: ¥12,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
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Keywords | シグナル伝達 / リン酸化 / 分子間相互作用 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
哺乳類細胞には、少なくとも3種類のMAPKカスケード(ERK/p38/JNK)が存在するが、これら複数のMAPK経路間でシグナルの誤った混線は起こらない。細胞増殖と死の制御に重要なMAPK経路が、如何にして誤ったシグナル伝達を回避しているかを解明することは、発癌制御の観点からも重要である。本研究では、MAPKKK-MAPKK分子間の特異的結合を規定し、シグナル伝達の正確さを保証する分子機構の解明を行った。その結果、全てのMAPKK分子のC末端領域に、対応する上流のMAPKKK分子との選択的結合に必要な新規ドッキング・サイト(DVDサイトと命名)が存在することを見出した。さらに、このDVDサイトが、MAPKKKからMAPKKへの効率的シグナル伝達にも必須であることを明らかにした。また、DVDサイトの機能を阻害する合成ペプチドを開発して、このペプチドが特定のMAPKKの活性化を強く抑制し得ることを示した。即ち、DVDサイトをターゲットとした分子標的薬剤を開発することで、MAPK路の活性阻害剤の創薬が可能であり、癌治療に応用し得ることを示した。また我々は、MAPKK分子のDVDサイト近傍に存在するS/T残基が、下流のMAPKによって刺激依存的にリン酸化されること見出し、さらに、この様なフィードバック・リン酸化によってDVDサイトの機能が阻害されてMAPKK活性が低下し、融PK経路の活性持続時間が調節されていることを明らかにした。また、癌細胞におけるERKの異常な活性亢進がDVDサイトのリン酸化異常を惹起してDVDサイトの機能にも影響を与えることを見出した。これらの結果から、ドッキング・サイトを介した各キナーゼ分子間の相互作用が、MAPK経路のシグナル特異性維持、および活性制御に重要であり、またその制御異常が発癌に関与することが示唆された。
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