Project/Area Number |
20013010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (30119028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 哲史 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (00396871)
山崎 裕人 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (80376623)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥13,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
|
Keywords | 癌転移 / シグナル伝達 / 悪性胸膜中皮腫 / Cas-L / CD9 / がん幹細胞 / EGF-R / 肺がん / 細胞接着 / 細胞遊走 / インテグリン / EGF |
Research Abstract |
β1インテグリン分子は接着分子としてのみならずシグナル伝達分子として、癌細胞の転移、浸潤に関与する。本研究において、我々が確立したインテグリンシグナル分子Cas-L及び、CD9分子を中心に、肺がん及び悪性胸膜中皮腫を対象に解析を進め、以下のような結果を得た。 1) A549・PC-9といった肺癌細胞株において、EGF刺激によりCas-Lがチロシンリン酸化を受けること、そのチロシンリン酸化が、EGFR阻害剤Gefitinibにより特異的に阻害されることを見出した。また、EGF刺激による肺癌細胞株の遊走能がCas-L遺伝子導入により亢進する一方、Cas-L RNAi導入により、この細胞遊走が阻害されることを見出した。NOD-SCIDマウスへの皮下移植を用いた検討では、Cas-L導入株の腫瘍造生能及び転移能が著しく亢進することを用いたin vivoイメージングにより明らかにした。さらに、臨床の肺がん患者標本を用いた検討では、免疫組織化学的なCas-Lの発現レベルと、肺癌患者の悪性度、患者の生命予後とに有意な正の相関関係があることが明らかとなった。これらのことから、Cas-Lの発現が肺がんの有力な予後予測因子となる可能性のみならず、肺がん治療における分子標的となる可能性が示唆された。 2) アスベスト暴露に起因した悪性胸膜中皮腫に対して、がん幹細胞の同定を試みた。悪性胸膜中皮腫患者より得られた検体から腫瘍細胞を単離し、NOD-SCIDマウス連続移植系を確立した。side population(SP細胞)解析と、細胞表面マーカーの網羅的解析を行った。その結果、悪性胸膜中皮腫におけるSP細胞の存在を明らかにし、CD9及びCD24の発現にheterogeneityが認められ、これらのマーカーで中皮腫細胞を陽性集団と陰性集団に分離して培養すると、不均等分裂を示すことを見出した。さらに、NOD-SCIDマウスに移植した場合、CD9陽性集団及びCD24細胞集団が、各々陰性細胞集団に比較して有意に大きな腫瘍を形成することが明らかになった。以上のことから、CD9及びCD24が悪性中皮腫においてがん幹細胞マーカーである事が示唆された。
|