血管内皮細胞由来因子EGFL7のがん血管新生における機能解析
Project/Area Number |
20013013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
HEISSIG Beate The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任准教授 (30372931)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥13,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Keywords | アデノウィルスベクター / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 血管内皮増殖因子 / 骨髄細胞 / サイトカイン / 細胞外ドメイン分泌 / ストローマ細胞 / 細胞分化 / 血管新生 / 血小板 / 骨髄由来細胞 / ケモカイン / サイトカインプロセシング |
Research Abstract |
本研究では、新規血管新生因子Egfl7のがん血管新生、がん増殖における機能・役割を理解し、生体内血管新生機構の新たな一面を解明することによって、これを標的とする抗がん新規分子療法の開発まで目標の範疇としている。今年度、研究代表者らは、昨年度より引き続き、膜型及び可溶型のEgfl7を生体中で発現するアデノウィルスベクターE13及びE15、および抗Egfl7抗体を作製し、Egfl7の生体内生物学的活性、特に血管新生因子としての機能解析を進めた。これまでの研究で、Egfl7は血管内皮増殖因子(VEGF)シグナルの上流からその発現調節に関与していること、またマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性化を誘導することが示唆されているが、今年度代表者らは、抗癌剤等による骨髄組織傷害後の再生過程で、骨髄細胞中のEgfl7の発現とVEGF及び膜型MMP(MT1-MMP)の活性化が連動すること、さらにMMPによって細胞外ドメイン分泌促進が起るサイトカイン群の骨髄細胞からの産生亢進も連動することが明らかとなった。また生体外の実験系においてアデノウィルスベクターによるストローマ細胞群でのVEGFの強制発現が、Egfl7の産生刺激となることも確かめられた。以上の実験結果は、Egfl7にVEGF等の血管新生因子発現を介した血管新生・管腔構造構築と、骨髄中の造血系細胞の分化増殖制御の二つの機能が存在することを示唆しており、これまでの代表者らの仮説ではこれらが密接に関与してがん血管新生を制御していることが推測される。現在Egfl7の生体内発現の経時的変化と骨髄細胞動態との関連性について精査中である。本研究成果は、血管新生機構の新たな一面を提示するものであり、さらに将来的にこれを標的とした分子標的療法の有用性を支持するものと言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)