in situがん細胞特性診断を可能とする蛍光プローブの開発とその応用
Project/Area Number |
20014004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦野 泰照 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (20292956)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Keywords | 蛍光プローブ / 酸性環境 / エンドサイトーシス / リソソーム / がん抗体 / エタノール注入療法 / 治療効果 / イメージング |
Research Abstract |
本研究課題は、申請者がこれまでに確立してきた蛍光プローブの論理的精密設計法を活用し、治療対象とするがん細胞の特性・個性やその治療効果を、in situで詳細に把握可能な蛍光プローブの開発を目指すものである。本年度は、ごく最近確立した酸性環境認識蛍光プローブを活用したがんイメージング法の活用による、がん治療効果のin situ判断が可能かどうかを検討した。具体的には、酸性環境を認識して初めて蛍光性となるpH感受性蛍光プローブを、がん特異的抗体に結合させたプローブを作成し、これを生きているがん細胞にエンドサイトーシスにより取り込ませた。しばらくすると、プローブは内部が酸性pHであるリソソームに運搬され、蛍光を発するようになるが、次に30%エタノールで細胞を処理することでがん細胞を死滅させたところ、細胞が性きている時は観測されたリソソームの蛍光が全く無くなることが明らかとなった。これは細胞が死滅することにより、プロトンポンプを活用したリソソーム内の酸性環境維持が出来なくなり、プローブが中性pH環境に再び置かれ、無蛍光性へと戻ったためと考えられた。そこで次にがんモデルマウスを用い、in situがん治療効果の検証を行った。具体的には上記プローブを肺がん転移モデルマウスに静脈内投与し、一日後開腹して肺のイメージングを行い、がん部位でのみプローブ蛍光が観測されることをまず確認した。次に肺表面からエタノールを浸潤させ、エタノール注入療法によるがん治療のモデル処置を行ったところ、がん部位の蛍光の消失が確認された。本結果は、エタノール注入療法によるがん治療効果を、術者がその場で確認しながら行うことを可能とする画期的な成果であり、近い将来臨床現場で本手法が活用されることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)