Budget Amount *help |
¥14,900,000 (Direct Cost: ¥14,900,000)
Fiscal Year 2009: ¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
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Research Abstract |
癌種の追加:これまで解析してきた癌種の検体数を追加し、さらに婦人科癌(子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌),尿路系腫瘍(膀胱癌,腎癌,尿路癌)、膵胆肝癌(胆道癌、肝癌)、なども収集して,累計2,500検体が集積した。また、再現性試験用の約2,000検体を共同研究機関から提供頂いた。婦人科癌についてはのべ22遺伝子多型の関与が判明した。 地域,年齢合致対照検体の確保:これまでに岡山大学病院から収集された癌患者検体の厳密な統計学的検討を行うために,地域と性比,年齢層が一致した対照群が必要である。今年度,岡山市内のJ健康管理センターと提携し、継続的な人間ドック受診者の中から,癌年齢に達した1,000件の検体を確保できた。今までに収集した岡山市内の約500名の検体と合わせて,計1,500件の対照検体を用い,約40種類のSNPと9種の癌の発症リスクとの関連を、より厳密な統計学的解析で再確認できた。遺伝子解析の結果、これら約1,500名の健常人のうち計220名(15%)は9種の何れかの癌の発症リスクが極めて高いと予測された。 同一遺伝子内の複数の遺伝子多型の組み合わせと発癌リスクの相関:本年度の特筆すべき成果は複数SNP複合遺伝子型と癌のリスクに関する新知見である。PTPRJ遺伝子はマウスの大腸癌感受性遺伝子であるが,ヒトでも大腸癌の発症に密接に関わることを初めて実証した。特に,本遺伝子の2種のms-SNPについて、健常人では極めて稀な複合遺伝子型が癌患者では10%以上あり,オッズ比が50以上に達することが判明した。このリスクは高浸透率の遺伝性腫瘍原因遺伝子変異に匹敵する。これはタンパク質中の2個のアミノ酸が特別なアミノ酸の組み合わせになると発癌リスクが飛躍的に増大するという,興味深い発見である。
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