がんのメタボローム解析に基づく抗がん剤反応性予測の新戦略
Project/Area Number |
20014025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 Keio University, 医学部, 教授 (30179832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牟田 章戸 , 医学部, 助教 (00424135)
渡辺 光博 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10450842)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | メタボローム / CE-TOFMS / イリノテカン / SN-38 / 薬剤反応性 / バイオマーカー / 個人差 / 個別化医療 / 5-FU / 核酸代謝 |
Research Abstract |
【研究目的】塩酸イリノテカン(CPT-11)は固形癌に対し有効な抗がん剤であるが、その抗腫瘍効果を予測しうる有用なバイオマーカーは未だ存在しない。本研究におけるメタボローム解析は細胞内代謝物の総体を網羅的に解析する手法であり、抗がん剤に対する反応と相関して変動する細胞内低分子化合物を見出すことを目的とした。 【研究計画】CPT-11の活性代謝物SN-38に対する感受性の異なる8種類のヒト大腸癌細胞を用い、薬剤曝露前あるいはSN-38曝露後の癌細胞の代謝応答を測定した。細胞内代謝物はキャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)にて一斉分析した。 【得られた結果】SN-38曝露後の細胞内ピリミジンヌクレオチド代謝の変化に着目したところ、DNA合成の基質となる細胞内dTTP、dCTPレベルの増加が確認された。一方で、RNA合成の基質となるUTP、CTPの細胞内レベルに明確な変動は認められなかった。また、SN-38曝露により細胞間で異なる変動を示す代謝物を探索し、高感受性細胞で細胞内レベルが高値となる代謝物としてLactate、Glycerol 3-phosphate、Asparagine、低感受性細胞で細胞内レベルが高値となる代謝物としてAspartateを見出した。さらに、細胞内γ-aminobutyric acidレベルとSN-38感受性(IC50)との間に高い相関が認められた。 【結論】CE-TOFMSを用いたメタボローム解析によりSN-38曝露による核酸代謝の変化及びSN-38感受性の異なる細胞間の代謝応答の違いを見出した。この代謝応答の違いは、SN-38に対する感受性の差異を反映した可能性があり、抗がん剤反応性を予測する新たなバイオマーカーとしてさらなる研究を展開する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(25 results)