Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,EPR(Enhanced and Permeability Retention)効果で固形腫瘍内の血管を流れ,漏出・滞留するナノバブルをコンピューター制御下にある超音波で破壊し,このとき発生するキャビテーション気泡の衝撃圧で血管壁周辺組織に治療性分子を導入し,「血管新生の抑制を目指す実時間超音波分子導入システムの開発」と「がん遺伝子治療」への応用を目的にしている. 従来の血管を介したマイクロ気泡と超音波を利用した遺伝子導入の研究では,プラスミドDNAとマイクロ気泡の混合液が使用されてきた.この方法では,血液中に大量に存在するエンドヌクレアーゼの作用でDNAが急激に分解される確率が高いことが知られている.本年度では,液体とガスが同時に封入されるナノバブルの作製と定量化をおこなった.査型電子顕微鏡観察から,ガスと液体が同時に封入される割合は20%であった.液体だけが内封されるリポソームの場合には,プラスミドDNAの封入率は30%である.実時間での分子導入法の開発では,ナノバブルの移動で得られる超音波の画像の閾植をトリガー信号にして超音波の照射が可能な実時間分子導入法をすでに開発している.この手法を用いることで,ナノバブル集積箇所でナノバブルを破壊してナノバブルに含まれる薬剤を選択的に導入できるシステムの開発が可能になった. 本研究の実施期間2年以内に,当初の目標を達成することができた.本研究を臨床に意味ある手法に展開するために,遺伝子導入後の遺伝子発現を陽電子放出断層撮影(PET)で可視化するイメージング法の開発に着手した.本研究は,今後,このPETイメージング法の開発とともに展開されることになる.
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