Project/Area Number |
20015008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡島 史和 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (30142748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸村 秀明 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70217553)
佐藤 幸市 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00302498)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥11,000,000 (Direct Cost: ¥11,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / 膵臓癌 / Ki16425 / グリオーマ / β-アドレナン受容体 / cAMP / 細胞遊走 / 腹膜播種 / リゾボスファチジン酸 / スフィンゴシン1-リン酸 / S1P2受容体 / RhoA / PTEN |
Research Abstract |
リゾホスファチジン酸(LPA)は極めて簡単な構造の脂質性分子であるが、癌細胞の増殖、運動の重要な制御因子である。我々は15万種の化合物からLPA受容体アンタゴニスト(Ki16425)の開発に成功し、このLPAアンタゴニストが浸潤能の高い膵臓癌細胞、グリオーマの遊走、浸潤活性を著明に抑制することを見いだしている。我々はまた、受容体アンタゴニスト以外にもLPA1受容体を介した癌細胞の遊走、浸潤応答に対する抑制性シグナルを探索し、β-アドレナン受容体/cAMP系がLPA1受容体シグナルを著明に抑制することを見いだした。そこで、本研究ではLPA1受容体に対して抑制的に作用するKi16425が実際にインビボでも癌治療に有効であるかどうか、また、LPA1受容体に対するβ-アドレナン受容体/cAMP系の抑制機構の詳細を解析した。(1)膵臓癌細胞YAPC-PDをヌードマウス腹腔内に投与すると3~4週間後に腹膜播種が観察される。LPA1アンタゴニスト(Ki16425)を経口投与し、生存状態と腹膜播種、固形腫瘍形成の程度を測定したところ、Ki16425を投与すると生存が若干延びること、また、興味あることに肝臓への浸潤(あるいは転移)が明らかに抑制されることを観察した。(2)グリオーマにおいてβ-アドレナリン/cAMPはLPAによる遊走、浸潤を抑制する。そのメカニズムを解析した。PTEN欠損のグリオーマではβ-アドレナリンによつ抑制作用が観察されないことから、β-アドレナリン作用にはPTENの関与が示唆された。詳細な解析の結果、cAMP/Epac/Rap1を活性化し、PTENが活性化され、PI3キナーゼ依存性のRac1の活性低下、細胞遊走抑制を引き起こしていると推定された。
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