Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Research Abstract |
比較ゲノムの1方法論として,広い範囲の生物ゲノム間で共有されている相同タンパク質をクラスタリングすることにより,解析対象とする全生物の全タンパク質を一義的に分類し,それを用いて系統プロファイリングによって機能アノテーションを行ってきた。相同性を認識する基本的ソフトウェアとしては定番のBLASTPを使い,全タンパク質対全タンパク質についての検索結果を独自ソフトウェアGclustによって処理することとウェブサーバーにより系統プロファイルを検索することにより,概ねこの目的を達成することができた。平成21年度の研究成果としては,以下の点が挙げられる。 1. 光合成生物に共通に存在するタンパク質について,詳細な分類を行い,シアノバクテリアから植物まで保存されているタンパク質の他,植物だけ,または真核光合成生物だけに保存されているタンパク質群を同定した。 2. Gclustによって得られる相同タンパク質グループが系統解析の出発点として有効であることを利用して,パラログが多くて系統関係が複雑なPsbPタンパク質の系統解析を行った。さらに,立体構造モデリングを併用することで,複雑な系統関係を整理することができることを示した。 3. シアノバクテリアと葉緑体を中心とした相同タンパク質データベースCyanoClustのゲノム数を増やし,バージョン3を公開した。また,新たにゲノム配列が決められたArthrospiraの全タンパク質のアノテーションにCyanoClustを利用することで,相同タンパク質データベースの有効性を実証した。 4. ゲノム構造の進化を推定する新たな統計的手法として位置プロファイル法を開発し,シアノバクテリアや根粒菌のゲノムコアの組換えによる進化を可視化することに成功した。 5. 多次元系統プロファイリングの基本手法として,異なる生物間での発現データを統合化するためのソフトウェア開発を行った。
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