Project/Area Number |
20017009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野中 勝 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (40115259)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | PSMB8 / MHC / メダカ / 平衡淘汰 / 二型性 / 進化 / プロテアソーム / ゲノム / 免疫学 / 遺伝子 |
Research Abstract |
メダカMHC領域に存在するPSMB8遺伝子の多型の進化を明らかにするために、今年度は以下の解析を行った。先ずMHC領域の遺伝子構成の進化を明らかにするために、これまで解析されていなかったメダカ属の第三のグループに属するセレベスメダカBACライブラリーの構築とMHCクラスI領域の塩基配列解読をおこなった。基礎生物学研究所で保持しているセレベスメダカについてPSMB8遺伝子のタイピングを行い、Hd-rR型、HNI型をヘテロに有する個体から培養細胞を確立してDNAを抽出した。支援班によりこのDNAから約6xのBACライブラリーが構築された。PSMB8, DAX, RING3遺伝子にPCRプライマーを設定してスクリーニングし、それぞれ2,2,7個のBACクローンを得た。二型性領域を含むPSMB8, DAXのプライマーにより得られたクローンを検討した結果、PSMB8で得られたものはHd-rR型、HNI型が各一個、DAXで得られたものは共にHd-rR型であった。PSMB8で得られた2クローンを完全解読することにして、現在Hd-rR型のもののショットガンライブラリーを作成し解読を進めている。また、Oryzias属各種の野生集団を用いてMHCクラスI領域多型の解析を行った。メダカ種群のハイナンメダカ、ジャワメダカ種群のジャワメダカ、インドメダカ、タイメダカ、及びセレベスメダカ種群のセレベスメダカ、マタネンシスメダカ、マルモラタスメダカについて、各100個体程度の野生集団のPSMB8, PSMB10遺伝子のタイピングを行った。その結果、インドメダカ、タイメダカからはHd-rR型のみが、その他の各種からはHd-rR型、HNI型の両型が検出された。ただしインドメダカは日本に維持されているラボストック中に二型が認められ、種としては二型を保持していることが判明しており、タイメダカも今後別の産地のものを調べることにより二型が確認される可能性が高いと思われた。二型が認められた各種では、メダカ同様にHd-rR型の頻度が高くなっており、これらの結果からPSMB8遺伝子の二型性はOryzias属の共通祖先の段階で既に存在しており、一方に偏った形の平衡淘汰により種を越えて維持されてきたことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)