Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ゲノム研究の急速な進展、中でもGWAS(ゲノム広域相関解析)は多因子性疾患に関運する遺伝子(座)を次々に同定し、その遺伝リスクは複数の多型によることを示唆した。しかし現状これら複数の多型トータルによる遺伝リスク(易罹患性)は判定できず、また、遺伝リスクの違いによる注意すべき生活習慣・環境暴露と程度は明らかになっていない。そのため、個人にあった健診や早期予防・早期診断・早期治療の確立は難しい。この1打開案として、ゲノム疫学コホート研究を通じて、どのリスク座位をいくつ組合せで持った人が、どのような生活習慣・環境暴露下で、如何なる健康状態を経て発症に至るかを追跡調査する前向き研究がある。そのためには、個人のゲノム情報、生活習慣・環境暴露情報、健康情報を、個人保護に最大限留意しつつ、正確かつ欠損がないよう取得し、長期間観察していく必要がある。そこで、本課題は長浜コホートをフィールドとし、ゲノム疫学研究実現のための(1)二重匿名化・連結、(2)個人情報管理、(3)受診管理、(4)質問表管理、(5)健診・検査会社との情報授受、(6)特定健診返却、(7)検体管理、(9)医師診断入力、(10)追跡、(11)撤回、(12)生理学検査管理、(13)生化学検査管理、(14)初期統計処理、(15)疾患関連候補遺伝子タイピング等のシステム構築を目指した。基本的な考え方は、情報は紙媒体を避けて電子化(匿名化・連結が迅速で正確、研究者が全情報閲覧可、ミス判定・解析が迅速)、現地検証項目はそれを実現し転記は回避(質問表での生活習慣情報、医師診断)、検査値等は値を保証(溶血、再検表示)、欠損値は理由付記すること等で、これらに留意した全システム(計画全て)を確立した。結果、匿名化・連結や返却での錯綜が1件もなく、また、平成21年度末までの約6000人中94%が全健診情報を取得、残りも最多欠損4項目(理由付)の優れたシステムが構築、疾患関連候補遺伝子タイピングも実現し、前向き研究が円滑に開始できた。
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Nature Genetics 40
Pages: 1092-1097
Pages: 730-740
Pages: 35-42
http://www.city.nagahama.shiga.jp/index.cfm/9.4527.19.158.html