GABA作動性介在ニューロンタイプによる大脳皮質-基底核機能の制御
Project/Area Number |
20019025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 和人 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (90211903)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | イムノトキシン / 細胞標的法 / 介在ニューロン / インターロイキン-2受容体 / 神経回路 / 神経活動 / 行動制御 / 神経伝達 / インターロイキンー2受容体 |
Research Abstract |
大脳皮質-基底核を連関する神経回路は、運動制御、運動学習、強化学習などの重要な脳機能を媒介する。線条体や大脳皮質には、形態的および電気生理学的に異なるさまざまなタイプの介在ニューロンタイプが存在し、神経回路の活動を協調的に制御することによって行動の調節に必須の役割を担っていると推察される。特に線条体にはコリン作動性およびGABA作動性の複数の介在ニューロンタイプが存在する。しかし、個々のニューロンタイプが一連の行動課題の中でどのような役割を担っているかについては十分に理解されていない。本研究では、GABA作動性のlow threshold spiking (LTS)ニューロンとコリン作動性介在ニューロンに着目し、線条体あるいは大脳皮質に局在するニューロンタイプの行動生理学的な役割の解明に取り組んだ。第一に、LTSニューロンのマーカーであるニューロペプチドY(NPY)遺伝子にヒトインターロイキン-2受容体αサブユニット/黄色蛍光タンパク質(IL-2Rα/YFP)遺伝子を導入したbacterial artificial chromosome (BAC)トランスジェニックマウスを作製し、複数の系統を得た。これらの系統における導入遺伝子の発現を組織化学的方法により解析し、IL-2Rα/YFPタンパク質は、NPYやソマトスタチンを含むニューロンタイプに主要に発現することを確認した。第二に、コリンアセチル転移酵素(ChAT)遺伝子にIL-2Rα/YFP遺伝子を導入したBACトランスジェニックラットを作製し、このラットの線条体内にイムノトキシンを投与することによって、コリン作動性介在ニューロンの選択的な除去を誘導した。この細胞除去ラットは、線条体に依存するレバー解放型リアクションタイム課題において正常な応答(過早反応率、反応時間など)を示した。一方、このラットは、T迷路を利用した空間記憶課題において、最初の学習獲得は正常ラットと同程度であったが、逆転学習の課題においてその獲得が向上することが明らかとなった。NPY-IL-2Rα/YFPマウス系統とChA-IL-2Rα/YFPラット系統は、線条体に依存する学習を媒介する神経メカニズムを解明するために有効な実験動物となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(29 results)