脳損傷後の機能回復:分子からシステムまでの統合的研究
Project/Area Number |
20019042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
肥後 範行 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (80357839)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 精密把握 / 運動皮質 / 巧緻動作 / 運動訓練 / 脳機能イメージング / リハビリテーション / 遺伝子発現 / 皮質脊髄路 |
Research Abstract |
脊髄に損傷を受けると手足の麻痺が生じるが、その後に運動機能の回復が見られることがある。機能回復の背景として、大脳皮質レベルの神経活動変化による機能代償がある(Nishimura Y, et al,2007)。このような神経活動の変化を実現するために、大脳皮質において神経回路の再編成が生じていると考えられる。ただし、脊髄損傷後に大脳皮質レベルで神経回路の再編成が生じているという知見はこれまでにほとんど得られていなかった。本研究では回復過程で生じる神経回路の変化を調べるため、神経突起の伸長に関わるタンパクであるGAP-43の遺伝子発現に着目した。すなわち、サル皮質脊髄路損傷後の機能回復過程におけるGAP-43遺伝子の発現変化を、大脳皮質運動関連領野において解析した。その結果、皮質脊髄路の損傷を受けたサルでは、回復時に両半球の第一次運動野(M1)のII-III層に存在する興奮性ニューロンにおいてGAP-43遺伝子の発現上昇がみられた。またM1のV層に存在する大型ニューロンでも、両側性に発現の上昇がみられた。さらに運動前野腹側部(PMv)や第一次体性感覚野(S1)においてもII-III層のニューロンでGAP-43遺伝子の発現上昇がみられた。これらの結果は、M1とPMv、S1を含む運動関連領野間の皮質問投射、および第一次運動野から皮質下への投射を担う神経細胞で可塑的な変化が生じていることを示す。本研究成果は、脊髄損傷後に大脳皮質レベルの神経回路再編成が実際に生じており、それが機能代償に関与していることを示唆するものである。今後は回復過程で生じる投射レベルの変化や、神経回路変化を引き起こす遺伝子発現動態を明らかにしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)