情動と社会性の脳内機構と、その人種・文化差に関する研究
Project/Area Number |
20020011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70324366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 名古屋大学, 生理学研究所・心理学研究所, 教授 (00273003)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | fMRI / 条件づけ / 扁桃体 / 感情 / 風景 / 海馬傍回 / セロトニントランスポーター / BDNF |
Research Abstract |
情動写真や表情に反応する扁桃体の活動が、遺伝子多型や文化的背景により影響を受けるかどうかを調べた。日本人、日系アメリカ人、白人系アメリカ人の3群を被験者としてfMRI実験を行った。同時に遺伝子解析のための血液採取と、性格傾向質問紙(NEO)調査も行った。NEOによる神経症傾向は、白人系アメリカ人と比較して日本人で有意に値が高かった。扁桃体の活動は、日本人で日系アメリカ人及び白人系アメリカ人と比較して有意に高い活動を示した。現在はセロトニントランスポーター(5-HTTLPR)多型を米国において調べており、その多型に基づいて結果を再解析している。社会感情神経科学研究会と題した講演会を主催し、その中で本研究結果が発表された。 情動の生成に関わる扁桃体と前頭前野の関係を、顔と声を用いた嫌悪条件づけ課題とfMRIを用いて研究した。24名の日本人被験者のデータを解析した結果、扁桃体の活動は開始早期に一過性に上昇するが前頭前野は実験を通して賦活されていた。米国の共同研究先で5-HTTLPR多型を調べ、その多型に基づいてfMRIデータを再解析した。ストレスに脆弱性があるとされるs/s型被験者では、条件づけに伴う前頭葉の活性が有意に低下していることを示した。 社会性に関わる認知機能として、自分が成育した環境と類似した風景に対する学習・記憶の実験を行った。ここでは日本と米国(国籍)、都市と田舎(場所)という2要因を含んだ風景写真のfMRI記憶実験を行った。米国のNortbwestern大学では白人被験者を対象とした実験が終了しており、当方では16人の日本人被験者を対象としたデータ収集を行った。同時に被験者から得られた血液サンプルからDNAを抽出し、BDNF多型を調べている。白人被験者のデータ解析では、海馬および海馬傍回の活動が認められている。今後は国籍やBDNF多型の脳活動に与える影響を検討する予定である!
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)