Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
当研究室が開発した複数領野の多数の視覚野細胞からの同時記録に適合性の高い計測手法を用い、視覚領野内での神経細胞間の結合と中高次の領野への視覚情報の受け渡しの機構を基本手法の様々な適用により解明することを目的として研究を行った。従来の実験手法に加え、単眼・両眼無相関ダイナミックノイズ刺激と高速提示されるグレーティング刺激を活用することにより、下記の成果があった。1. 3次元両眼受容野:複雑型細胞の反応特性は下位の細胞からの入力がどのように統合された結果なのかを明らかにした。2. 高次元受容野として見た周辺抑制特性:古典的受容野と周辺抑制領域は一体として高次受容野を形成していると考えられるべきで、その全体の機能が視覚刺激に含まれる高次特徴を方位に基づき表現しているという新たな考えの妥当性を示した。3. 逆相関法による方位交差抑制:方位の異なる2つの正弦波刺激を重畳した刺激を速い頻度でフラッシュ提示し、逆相関法により方位交差抑制のダイナミクスを明らかにした。4. 脳梁による両半視野継ぎ合わせメカニズムの研究:脳梁結合が伝達している情報の詳細の研究を実施した。5. 変換領域逆相関法(TDRC)による曲率選択性を求める新解析法を初期視覚野細胞に適用しその有用性を実証した。6. 初期視覚野細胞の発火信頼性:V1細胞発火の再現性及び信頼性を調べた単純型と複雑型ではこの発火信頼性に大きな違いが見られた。7. 高次視覚野細胞が行っている情報処理の考え方を画像処理一般に応用し、曲率を含む画像特徴抽出法を開発し、特許として出願した。(特願2009-245255)
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Neuroscience Feb.16(印刷中)
Journal of Neurophysiology 101
Pages: 1444-1462
Pages: 1463-1479
http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/