ショウジョウバエ成虫脳の発生における同心円ゾーンと細胞移動による神経回路形成機構
Project/Area Number |
20021006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 純 Kanazawa University, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (30345235)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 発生・分化 / 遺伝学 / 遺伝子 / ショウジョウバエ / 視覚系 / メダラ神経節 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ視覚中枢のメダラ神経節はほ乳類の脳において見られる様々な特徴を持ちつつ、ハエの高度な遺伝学的ツールを用いることができる優れたモデル系である。発生過程においてメダラ前駆体は4種の転写因子の発現によって同心円状に区画化されるが、4種の転写因子のうちDrifter (Drf)およびHomothorax (Hth)についてはその発現を正確に再現するGa14系統を作製し、これを用いてGFPを発現させ、それぞれの発現によって規定される神経細胞の形態・移動パターンを調べた。その結果、DrfおよびHthを発現するメダラ神経細胞はそれぞれ全く異なるタイプの神経細胞を構成し、神経細胞のタイプごとに異なる細胞移動パターンを示すことが分かった。また4種の転写因子のうちBshはHth陽性神経細胞の一部で発現し、Mi1と呼ばれる単一の神経細胞種を規定すること、Mi1は幼虫期には脳の内側に位置するが、蛹期の細胞移動によって脳の最も外側の領域に向かって規則正しく移動することがわかった。drf変異体ではDrf陽性神経細胞のタイプは基本的には維持されるが、一部の樹状突起のパターン、軸索の投射先に異常が生じる。hth変異体ではもともとのHth陽性神経細胞とは全く異なるタイプの神経細胞が生じ、Bshの発現も失われることがわかった。さらに、Hthは細胞接着因子NCadherinの発現を誘導し、これがHth陽性神経細胞の正確な投射制御において重要であることが示唆された。HthはBshおよびNCadherinの発現を介してMi1の投射パターンを制御していると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)