Project/Area Number |
20021010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences (2009) The University of Tokyo (2008) |
Principal Investigator |
関野 祐子 National Institute of Health Sciences, 薬理部, 部長 (70138866)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 海馬 / 光学測定 / アデノシン / NMDA受容体 / パッチクランプ / 光学測定法 / アデノシン受容体 / 膜電位感受性色素 |
Research Abstract |
研究成果報告書 ADA1Rノックアウトマウス(KO)の海馬スライスでCA3からCA1へ至る海馬内神経興奮伝播の時間空間パターンを膜電位感受性色素による光学測定で観察したところ、CA1の脱分極性光学応答の振幅と持続時間が野生型マウスに比べて著しく長かった。そこでCA3-CA1を切断してピクロトキシン(PTX)存在下でSchaffer-CA1シナプスの光学応答を記録し、APV非存在下の応答とAPV存在下との応答の差分を求めてADA1RKOと同腹のWTとの間で比較した。ADA1RKOのSchaffer-CA1シナプスでは、NMDAR由来の光学応答の立ち上がり時間が遅くなり、持続時間が長くなっていた。クラスタリング解析を応用して光学応答の類似性により画素を分類して定点観察のピクセルを決定し、APV非存在下の応答とAPV存在下との応答の差分をクラスタリング解析して領域を区分した結果、野生型ではNMDA受容体由来の応答が徐々に伝播したが、ADA1RKO海馬CA1では、反応の同期性が高かった。CA1錐体細胞でホールセルパッチクランプ法により、Schaffer-CA1間の興奮性シナプス応答のAMPA受容体電流(AMPAR-EPSC)とNMDA受容体電流(NMDAR-EPSC)を解析した。ADA1R拮抗薬8-cyclopentyl-theophyllineは、AMPAR-EPSCとNMDAR-EPSCの振幅を増大した。また、AMPAR-EPSCの持続時間は変化せず、NMDAR-EPSCの持続時間は長くなった。さらに、アデノシンA1受容体作働薬N6-CyclopentyladenosineはAMPAR-EPSCとNMDAR-EPSCの振幅を減少したが、NMDAR-EPSCに関してのみ持続時間を減少した。これらのことは、ADA1Rが単にグルタミン酸の放出を制御しているだけではなく、NMDAR機能を修飾していることを示している、シナプス後部に分布するADA1Rは、NMDA受容体と何らかの相互作用を持ち、NMDA受容体電流の持続時間を短くし、さらにNMDA受容体由来の応答の空間的な同期性を減弱して、長期増強が誘発されるシナプス領域を制限するなどの修飾機能を果たしていると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)