モルフォゲンの濃度勾配ロバストネス保証および分化運命決定における閾値の分子機構
Project/Area Number |
20022020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石橋 誠 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30232341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 岳 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10324617)
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | モルフォゲン / 位置情報 / 濃度勾配 / ロバストネス / 閾値 / ロバストネト |
Research Abstract |
モルフォゲン濃度勾配のロバストネスの実験的検証:モルフォゲン濃度勾配形成のロバストネスに関しては、Elderらの提唱した数理モデルがあるが、Shhについてこのモデルの検証を行った。このモデルはShhの産生が多く、且つ分解が非線形の場合を想定しているが、Shhの勾配のプロフィールが通常の線形の分解の場合と比べてどうなっているのか、理論側から実験的な計測ができるような予測を立て、実際にReal time PCR,ウェスタンブロット、ELISA等によって測定した。実際に比較する領域としては、剖出の際に領域を個体間の差なくきちんと定義しやすい肢芽と肺を用いた。どちらの器官においてもShhがパターン形成に重要な働きをしていることが分かっている。その結果、gene doseが半分であるヘテロ接合体では、SHHの産生量が野生型の半分になっていた。これは前述のモデルと矛盾する結果であるが、詳細な検討の結果、検出されているSHHタンパクは細胞内の前駆体であることが分かった。実際に機能する細胞外のタンパクは今のところ検出限界以下である。従ってモデルの検証にいたらず、細胞外のタンパクを可視化・定量化することを試みている。この方法を確立した後、神経管においても測定する予定である。上述の理論予測ではShhの量が多い場合にしか勾配が安定に保たれないが、予備的実験において肺におけるShhのタンパク量は肢芽や神経管における量よりもかなり少ないことが分かっている。従って、肺のパターン形成では先ほどの理論の前提と合わないことが起こっている可能性がある。更に、実際のタンパクの分布を計測するために、免疫組織化学の方法の改良を試みた。現在行っている免疫組織化学の手法では、細胞外に放出されたシグナル因子が固定の段階でうまく周辺の構造にトラップされず、Shhの産生細胞内のタンパクは検出できても濃度勾配は検出されない。拡散しているタンパク分子を固定して可視化する方法の開発を試みたが成功していない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)