樹状突起フィロポディアを構成する機能分子複合体の統合的解明
Project/Area Number |
20022046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉原 良浩 The Institute of Physical and Chemical Research, シナプス分子機構研究チーム, シニア・チームリーダー (20220717)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | テレンセファリン / 終脳 / 樹状突起フィロポディア / スパイン / 細胞接着分子 / ERMファミリー / ビトロネクチン / Phagocytic Synapse / 免疫グロブリンスーパーファミリー / シナプス形成 |
Research Abstract |
樹状突起フィロポディアは発達期の神経細胞に多く見られるダイナミックな構造であり、スパインの前駆体と考えられている。しかしながらその形成機構、スパインへの移行過程さらにはシナプス可塑性における役割についてはほとんどわかっていない。テレンセファリン(TLCN : ICAM-5)は免疫グロブリンス-パーファミリーに属する細胞接着分子であり、哺乳類の終脳神経細胞(特にスパインを持った神経細胞)に特異的に発現している。これまでに私たちは、樹状突起フィロポディアに局在する分子群としてTLCN、活性型リン酸化ERMファミリーアクチン結合蛋白質群、F-アクチン及びPI(4,5)P2を同定した。平成21年度においては、細胞外マトリックス分子ビトロネクチンが、TLCNと特異的かつ高親和性に結合することを発見し、この分子間相互作用が樹状突起ブィロポディア形成を誘導するための細胞内シグナル伝達力スケードを起動させる可能性が示唆された。また、ビトロネクチンを表面に結合させたラテックスビーズがTLCNを介して培養海馬神経細胞の樹状突起に強く接着し、ビ-ズの周囲にはTLCN、リン酸化ERM,F-アクチン、PI(4,5)P2が集積し、あたかも貪食細胞のようにビーズを取り囲む細胞膜突出構造(Phagocytic Synapse)が形成されることを見出した。さらに、ビトロネクチンを結合させた磁性ビーズを培養海馬神経細胞の樹状突起に接着させ、界面活性剤で緩和な条件の下に可溶化し、ビーズを磁石で精製することによって、このビーズに結合したTLCNを含む機能分子複合体(樹状突起フィロポディア様画分)を精製した。精製画分において樹状突起フィロポディア構成分子が濃縮されていることを、抗TLCN抗体を用いたウエスタンブロット解析により確認した。さらに本画分に豊富に含まれる数種類のシグナル伝達分子の同定にも成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)