臨界期ストレスと生体ホルモン応答に対する分子・構造・行動解析
Project/Area Number |
20023025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
河田 光博 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (60112512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 美和子 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10420712)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | GRP / SGN / アンドロゲン受容体 / エストロゲン受 / 性差 / ストレス応答 / SPS / 視床下部 / 脊髄 / ストレス / 雌雄差 / テストステロン / 反射性勃起 / PTSD実験モデル |
Research Abstract |
臨界期ストレスの成体ホルモン応答に対する解析を行った。Gastrin releasing peptide(GRP)を産生する神経細胞体はアンドロゲン受容体を有し、脊髄の腰髄(L2-3)灰白質の中心管周辺に分布、その軸索をL5-6,S1-2に存在する副交感性脊髄神経核や球海綿体神経核に送っていた。GRPのアンタゴニストを脊髄の髄腔に投与すると反射性勃起が抑えられた。GRPを産生する神経細胞には明瞭な性差があり、ラットのオスではメスよりも細胞数が多く、また細胞体にはアンドロゲン受容体が発現していた。去勢によってGRPは神経細胞体と終末レベルで減少するとともに反射性勃起行動も低下し、テストステロンの投与によってこれらは回復した。動物におけるPTSD実験モデルとされるsingle prolonged stress(SPS)をラットに負荷すると、これら脊髄のGRP系が抑えられた。すなわち、GRPニューロンのアンドロゲン受容体の発現量が低下し、その結果GRP発現が低下、抑制され、ニューロンの終末からのGRP放出が減少し、雄性性機能が減弱する回路が明らかとなった。SGN(視床下部矢状核)は雄で大きく、エストロゲン受容体を発現させている神経核であるが、一般的に脳内におけるこのような構造的な性差は、新生児期に雄の精巣から分泌されるアンドロゲンによって構築されることが知られている。SGNに見られる性差が新生児期におけるアンドロゲン作用によるものかどうかを調べる目的で、出生から24時間以内の新生雌ラットにテストステロンプロピオネート(TP)を皮下投与し、成熟後にコントロール群の雌と比較した。その結果、TPを投与した雌ラットではSGNの大きさやERα陽性細胞数およびその分布域が増加し、雄型へと分化していた。SGNは自律神経系および内分泌系の統合中枢である視床下部領域において神経伝達物質やホルモン、ペプチドやステロイドの作用を介し、性特異的な機能および行動発現の制御に深く関与している可能性が考えられた
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)