アミロイドカスケードのキープロセス可視化によるアルツハイマー病の診断・治療法開発
Project/Area Number |
20023036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
樋口 真人 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (10373359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
季 斌 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (80392223)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 脳アミロイド / ポジトロン断層撮影 / アミロイドβペプチド / タウ蛋白 / 老人斑 / 神経原線維変化 / ミクログリア |
Research Abstract |
本研究ではアミロイドβペプチド(Aβ)やタウ蛋白の凝集体であるアミロイド病変形成を発端とする認知症分子カスケードを生体でモニタリングし制御することを目的として、分子イメージング的手法により、カスケードの上流から下流までの主要プロセスにおける鍵分子の解析に取り組んできた。 平成21年度はタウ病変を検出するポジトロン断層撮影(PET)トレーサーの最適化と、translocator protein(TSPO)を指標とした神経免疫反応機構の解明を目指した。タウ病変に結合する一連の低分子化合物のうち、PETトレーサーとして適する動態を示す薬剤をポジトロン標識し、タウトランスジェニック(Tg)マウスのタウ病変を生体で可視化することに成功した。同トレーサーは毒性試験を実施中で、臨床応用に向けた準備が進められている。さらに同トレーサーの誘導体ライブラリーを作製し、タウ病変に対する選択性がさらに高まった化合物を幾つか同定した。 神経免疫機構に関しては、TSPOが神経傷害性ミクログリアのマーカーとなりうるというこれまでのデータに基づき、ミクログリアをアミロイド前駆体蛋白Tgマウスに移植して老人斑除去能を評価した。その結果、TSPO低発現クローンはアミロイド除去能を有するのに対して、高発現クローンはそうした作用が抑制されていることが、経時的な生体アミロイドPETイメージングにより明らかになった。さらに高発現クローンではMCP-1をはじめとするケモカインの分泌が、低発現クローンに比して顕著に増加していることが分かった。MCP-1はグルタミン酸環状化酵素(QC)により生体内で安定化するが、QCはAβのN末側も修飾し、安定で凝集性・神経毒性が強いAβN3pEに変換する。従ってQCは神経免疫による神経傷害とAβ病理の双方を促進する酵素と考えられ、診断と治療の重要な標的であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)