Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ATLAS実験でのbクォーク起源のジェット(bジェット)同定においては、同定性能そのものだけでなく、その性能評価も重要な課題である。というのも、LHCのようなハドロン衝突型加速器においては、同定効率および誤同定確率測定のためのサンプルを収集するのが難しいため、性能評価における不定性が比較的大きい。結果として、bクォークを使った物理解析での主要な系統誤差をもたらすことになってしまう。そこで、bジェット同定を使うことなく、すなわちバイアスをかけることなくトップ・反トップクォーク対を選別し、トップクォークの崩壊で生成されるbジェットをサンプルとしてbジェット同定効率を測定する可能性についての研究を行った。一方のトップクォークから生成されるbジエットについてはbジェット同定を行い背景事象を減らし、もう一方のbジェットをバイアス無しの純度の高いサンプルとした場合、実験初期の少統計のデータでも精度10%以下で同定効率を測定できることをモンテカルロシミュレーションを使って確認した。この手法を用いることで、実験初期段階のデータでもbジェット同定を使った物理解析を行えることがわかった。一方、bジェット同定においては、シリコン半導体を用いた荷電粒子の飛跡検出器が重要な役割を果たす。そこで、実験中の性能をモニターし、その結果をデータベースに記録。必要に応じてデータベースをbrowsingし、かつ検出器の振る舞いを解析することまで行えるシステムを構築した。複雑な解析プログラムを走らせることなく、検出器の拳動を理解できるので、運転に対する素早いフィードバックが可能となり、データクオリティの向上が期待できる。
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http://osksn2.hep.sci.osaka-u.a.jp/atlas/index.html
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