Project/Area Number |
20028010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2009) Osaka Electro-Communication University (2008) |
Principal Investigator |
梅谷 篤史 The Institute of Physical and Chemical Research, 肥山ストレンジネス核物理研究室, 協力研究員 (20454580)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ストレンジネス核物理 / ハイパー核 / 中性子過剰核 |
Research Abstract |
本研究課題では、平成20年~21年度の2ヵ年の期間内に、1.(π-,K+)反応による中性子過剰Aハイパー核の生成プロセスを理論的に解明し,生成断面積を求める、2.殻模型による中性子過剰核および中性子過剰Aハイパー核の構造計算を行い、中性子過剰Aハイパー核の構造を明らかにすることを目的としている。本年度は構造研究を中心に行い、1.コア核(ハイパー核の中で陽子と中性子からなる部分)に焦点をあて炭素同位体における電気4重極遷移の中性子数増加に対する変化、2.Aハイパー核のリシウム同位体におけるΣ混合率の中性子数増加に対する変化のそれぞれについて考察を行った。 中性子過剰な炭素同位体に対して最近行われた実験は、電気4重極遷移強度が従来の統計からはずれ小さいことを報告しており、有効電荷の減少が示唆されていた。これは中性子過剰核の安定核とは異なる性質の代表例である。本研究では炭素同位体に対して有効電荷の起源である1粒子励起状態を摂動で取り込んだ殻模型計算を行い、中性子の4重極運動が中性子数8を境に急増し、そのために有効電荷が減少することを示した。 Aハイパー核のリシウム同位体においては、中性子数増加に伴いΣ混合率が徐々に大きくなることを示した。増加の機構はコア核のベータ遷移の性質と強い相関があることが分かった。これはAN-ΣN結合相互作用の中にコア核のアイソスピンと共に増大する成分が含まれていることに起因しており、本研究の成果は結合相互作用の性質理解につながる。Σ混合はハイパー核のエネルギーをシフトさせるが、この効果はハイパー核に見られる2重項のエネルギー差に大きな影響を与え、エネルギー準位の精密測定によるΣ混合の検証が期待できる。中性子数が8を超える領域まで扱わなかったため、炭素同位体の遷移強度の場合とは異なり、コア核の急激な変化を要因とする特徴は見られなかった。
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