Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
モット転移は運動(W)及び斥力相互作用(U)の両エネルギー要素が拮抗する領域で起こるため、弱相関(U/W→0)及び強相関(U/W=∞)両極限での理論により適切に扱うことは難しい。そこで、あらゆるU/W値に対して局所相関を厳密に扱える最適化変分モンテカルロ法を適用して、フェルミ系とボース系のモット転移に関する対比的研究を行った。レーザー冷却による光学格子上ボース粒子系はボース・ハバード模型がほぼ理想的に実現された系である。この単純な系でモット転移機構の詳細を理解することにより、より複雑なフェルミオン系にフィードバックし、転移機構のより深い理解に達することができよう。波動関数の多体部分にはモット転移の記述に不可欠な同一サイト相関因子と次近接サイトまでのマルチプロンーホロン相互作用を導入した。フェルミハバード模型では、試行関数中の行列式の計算が比較的大変で、L≦16(L:線形次元)の系を用いた。この場合、様々な物理量の結果から、U=Uc~Wという有限の臨界相互作用値において、1次の非磁性モット転移が起こると思われた。本研究課題で計算したボース系の波動関数は、L=40程度の系が扱えるため、サイズ依存性をより正確に議論できる。その結果、Uc値はLの増大に伴って増大し、収束には別因子が必要なことが解った。モット転移の臨界値は自由粒子(金属)側と絶縁体側のエネルギーの微妙な競合によって決まるため、かなり繊細な量であり、格子の次元や形に定量的に依存する。これらの研究成果を基に、現在はスピンの内部自由度を持つ系(S=1)のモット臨界現象に研究の対象を広げている。
All 2010 2009 2008
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (2 results)
Physica C (印刷中)
Journal of Physics and Chemistry of Solids (印刷中)
New Journal of Physics 11
Pages: 75011-75011
Journal of Physics and Chemistry of Solids 69
Pages: 3274-3276
Pages: 3356-3359
Physics Review B 77
Pages: 214505-214505