微視的理論によるスピン三重項超伝導・超流動での特異な渦状態についての解明
Project/Area Number |
20029016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
市岡 優典 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90304295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 一成 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025491)
水島 健 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50379707)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超伝導・超流動 / 量子渦 / 冷却原子気体 / ヘリウム3 / 非従来型超伝導 / 物性理論 / スピン三重項対 / 低温物理学 |
Research Abstract |
冷却原子気体で実現が期待されているスピン三重項p波超流動に注目し、ヘリウム3の等方的p波超流動やルテニウム酸化物のカイラルp波超伝導との関連も視野に入れて、秩序変数に内部自由度のあるp波超流動状態での渦状態について理論研究を行ってきた。特に、原子気体でのp波超流動は研究の萌芽期にあり、今後の実験観測でどのような渦状態が現れるかの理論予測を早期に行い、今後の実験研究のための指針となるような成果を心がけ研究を進めた。ヘリウム3超流動においては秩序変数の内部自由度の多彩さのためマーミン・ホー渦のように渦芯のないトポロジカルな構造の渦が実現している。それらの特異な渦の構造を微視的理論などにより詳細に解析し、冷却原子気体を含むp波超伝導・超流動の渦状態の特性を総合的に解明してきた。 内部自由度のあるp波超伝導・超流動の渦状態の空間構造や関係する物理量の計算を可能とするための計算手法として、現象論的手法であるギンツブルグ・ランダウ理論による計算方法、定量的に正しい微視的理論による評価をするための準古典理論やボゴリュウボブ・ドジャン理論による計算方法の開発を行なった。これにより、ヘリウム3で実現しているマーミン・ホー渦やカイラルp波超伝導での渦と類似の渦構造が冷却原子気体で実現する可能性を評価し、その空間構造を理論計節より明らかにした。特に、マヨラナ状態として注目されるp波超伝導量子渦での準粒子状態の存在と特性の解明を行った。また、d波対状態など、より高次の角運動量状態の場合にも研究を発展させ、その特異な渦状態の理論解析を行なった。この他、本特定領域研究に参加している実験グループとの情報交換を行い、ヘリウム3超流動の回転下での特異な渦状態や、ルテニウム酸化物・重い電子系などでの特異な超伝導状態に関しても研究を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)