積分方程式理論に基づくイオン液体の溶媒和構造の解明
Project/Area Number |
20031014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (70290905)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 積分方程式理論 / RISM-SCF / エントロピー |
Research Abstract |
前年度までに開発してきた多成分溶媒系のRISM-SCF-SEDD法の完成を受け、イオン液体中での化学反応の例として、Diels-Alder反応を取り上げて計算を行い、学術論文として発表した。これは我々が知る限りイオン液体中の化学反応を非経験的量子化学計算で扱った世界初の事例である。また実験的に詳細な反応解析がなされている4-ニトロベンゼンスルホン酸メチルのSN2反応の計算を行い、ジクロロメタン溶媒中に比べてイオン液体中では反応障壁が高くなるという実験結果を正しく再現できることを示した。 さらに構造揺らぎを考慮できる積分方程式理論を多成分溶媒系へと拡張することで、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムなど、アルキル直鎖を有する、より一般的なイオン液体の取扱いに成功レた。この方法で計算すると、液体状態では孤立分子に比べてアルキル鎖が折れ畳まれた構造の分布が増加していることが分る。さらに、この方法を用いることで(1)ハロゲンアニオンの種類を替える事によって、アルキル鎖の配座分布がどのように変化するか、(2)実験的によく知られている、イオン液体([bmim][PF6])へ二酸化炭素が特異的に溶解する現象のメカニズムについて解析を行った。後者については、アニオンと二酸化炭素の静電的相互作用に加え、排除体積効果がしばしば重要な役割を果たしていることを明らかにした。これらの結果は学術論文として発表する予定であり、現在投稿の準備を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)