Budget Amount *help |
¥9,100,000 (Direct Cost: ¥9,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Research Abstract |
本研究は,歩行困難者の歩行運動機能の再建に資することを目的として,運動意図推定のための感覚運動系の解明および機能再建スキームの構築を試みてきた.研究要素は,硬膜外計測BMIによる運動意図推定,筋反射を用いた歩行補助法,感覚フィードバックより構成されており,今年度は筋反射の安定的な出力性能の確保とラットにおける硬膜外計測BMIの歩行運動に関する意図推定の性能について,以下1),2)に示す成果を得た. 1) 電気刺激による反射運動誘発システムの開発:上位運動ニューロン障害を患った麻痺者の残存する末梢神経系・筋肉を機能させるために昨年度開発した機能的電気刺激システムを基に,多チャンネル電気刺激による反射運動の誘発法のための刺激・運動系モデルの構築とこれを用いた歩行補助の実験,及び馴れによる刺激効果の低下に対する対策に関する成果が得られた.歩行動作の成果例では,直接電気刺激により前脛骨筋への直接電気刺激を行い足関節の背屈運動を生成,また反射電気刺激により,膝裏の大腿二頭筋部位下を通る脛骨神経を刺激し,脚の持ち上げ動作を生成した.これにより,被験者の運動意図を反映して歩行速度を変更できることを確認した.最速の歩行速度は,健常人と同等の速度を実現した. 2) ラットを用いた低侵襲型BMIの検討:歩行状態の意図推定のさらなる性能向上を目的とし,脳神経計測手法として硬膜外電極を使用しラット運動時の計測を実施した.得られた硬膜外電位から電極,使用周波数を変更させながらSVM(Support Vector Machine)による運動状態の識別を実施した.ラットの運動状態として,停止,安静状態,歩行時に右前足を持ち上げている状態,歩行時に左前足を持ち上げている状態,及びケージの壁に向かって両前足を持ち上げている状態(BFF)を識別対象とし,動物実験により,手術から10日程度ならば本実験の手法にて計測・解析が可能であることが示された.
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