真正粘菌変形体の環境依存の動的ネットワーク形成による適応行動と機能創発
Project/Area Number |
20033019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高松 敦子 Waseda University, 理工学術院, 教授 (20322670)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 真正粘菌 / 結合振動子系 / 複雑ネットワーク / パターン形成 |
Research Abstract |
真正粘菌変形体(Physarum polycephalum)は多核単細胞のアメーバ様細胞である。細胞の厚みを振動させながら環境中を遣いまわり、環境からの情報を細胞の状態・形態にフィードバックしながら行動する。一見、特異な生物だが、「移動知」という概念から見た場合、生物実験系のモデル生物として最適な生物システムのうちの1つであろう。 この細胞は振動性の細胞であり、どの部分を人工的に切り取ってきても細胞の機能を失うことなく独立な細胞として振動し行動できるので、ほぼ同一の要素が集合した要素集団系(結合振動子系)として捉えることができる。この細胞全体を眺めて見ると管状構造のネットワークで構成されている。管内では原形質流動という往復流動が見られ細胞の部分間、つまり、要素間の相互作用はこの流動を通して行われている。興味深いことに、この細胞は環境の状況に応じてその形態(管ネットワークの形態)と振動周期を著しく変化させる。つまり、管ネットワークの幾何が生物としての機能に大きな影響を与えていることが予想される。 本研究の目的は、管ネットワークのトポロジーと形態に着目し、構成論的手法により、原始的な生物の形態による環境の適応機構を明らかにすることである。具体的には、外部環境に応じて輸送管ネットワーク形態が著しく変化する現象について、(1)環境依存のネットワーク構造の特徴を抽出し、(2)環境適応の観点から生物機能がどのように機能的、効率的になっているかを調べ、粘菌の輸送管ネットワークの適応機構の解明を目指した。真栄養分摂取効率,エサ探索効率,エネルギー消費量,栄養分輸送効率などの指標を計測した結果、正粘菌変形体は、各環境毎に最も適応した輸送管ネットワーク形態をとっていることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)