Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
生化学や分子生物学では生命現象を理解するために細胞の機能を調べ,構成要素集団の統合機能を明らかにする研究を行っている.細胞培養における条件を変えて細胞の変化をタイムラプスに記録することができるオンチップ培養システムは遺伝子工学分野をはじめ様々な分野にとって重要な技術である.特に,大腸菌などの細胞をバイオチップ内で熱ゲル(PNIPAAm)等を使用して固定培養し,単一細胞観察を行うことは遺伝子発現の究明に大きく役立つ技術である.本年度は平成20年度に開発したチップの実用化に向けて共同研究先の法政大学石浜研究室とともに研究を行った. 平成20年度に本研究では(1)オンチップ細胞培養システムのための透明電極であるITOを用いてマイクロ電極をパターニングし,熱ゲルであるPNIPAAmを用いてマイクロ流路内の細胞をマイクロヒータ上にトラップすることに成功した.本年度は引き続き,培養環境を制御する新しいオンチップ培養システム構築を目指し,法政大学石浜研究室へ実際に量産したチップを提供し,インキュベータなどを使用せずにタイムラプスでチップを撮影しながら低コストで高精度なオンチップ培養及び,環境変化に伴う個々の細胞のプロモータ活性等の変化や,細胞同士の干渉等についての計測を行い個々の大腸菌の環境応答に関する知見を得ることができた. また一方で,平成20年度に本研究において(2)ITO透明電極をパターニングしたガラス基板上にポリマー製のマイクロブリッジを加工し,蛍光蛋白を発現する細胞およびPNIPAAmの混合液を流すことでブリッジ下に高さ制御可能なゲルを成長させ細胞をトラップすることに成功したが,このチップについても法政大学に供給し共同研究を行った.このチップの特徴としてはゲルの厚みを制御するためのマイクロヒータの精密な温度制御が不要であり,ゲルの透明性を保ったまま細胞を固定し,自家蛍光なしでS/N比良く単一細胞を観察することが可能な点にあるが,このチップの特徴を生かして大腸菌の単一細胞の培養観察を行った.
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