Budget Amount *help |
¥7,900,000 (Direct Cost: ¥7,900,000)
Fiscal Year 2009: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Research Abstract |
本研究は,機能性膜を自動生成する人工細胞モデルの構成と評価を目的に掲げた.具体的には,細胞サイズのリポソームを用い,その場で機能的な膜タンパク質を遺伝情報に従って無細胞的に合成・提示する系の構築手法と評価系の確立を行った.本研究では特に,膜タンパク質の1)発現(無細胞合成),2)局在(膜への挿入),3)配向,4)活性(機能)と,5)構成されたプロテオリポソームの特性の評価を通じて,機能性膜を自動生成する人工細胞モデルの標準的な調製法の提示を目指した.細胞間の物質輸送を司る4回膜貫通型タンパク質コネキシンについて,リポソーム環境における無細胞発現を行い,直接構成と機能化の測定を行った.その結果,リポソームから培養細胞への物質輸送が確認された(Biomaterials, 2009).さらにリポソームを構成する脂質組成による発現および挿入効率の違いを求め,サイズおよび膜に対する発現場所の違いによる配向性を示した.現在論文投稿中である.評価に関しては,細胞サイズリポソームを流路中で安定に捕捉し,直接観察を可能にするデバイスを構築した.これを利用した細胞サイズリポソームの抗体染色手法を開発し学会発表を行った.現在,論文投稿中である.これらの知見は,多種多様な生命現象は生体分子の集合体からいかにして構成されうるのか,という問いに答えるため,実験的に人工細胞モデル構築する研究において重要な進展であると考えられる.(加えて,研究グループとして新生タンパク質の安定保持を可能とする新奇材料である疎水化多糖ナノゲルを用いた薬剤輸送システムを開発し,査読つき論文として報告を行った.さらにMEMS技術を用いた培養細胞の局所制御システムの構築についても報告している.)
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