単離心筋機械負荷操作を用いた心臓の機械電気相互作用の統合生理研究
Project/Area Number |
20034038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入部 玄太郎 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90284885)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 機械刺激 / 機械電気帰還現象 / SAKCAチャネル / 国際研究者交流 / イギリス |
Research Abstract |
21年度前半は前年度後半に引き続き単離心筋細胞レベルの伸展実験と臓器レベルの機械電気相互作用としてトリ心臓における機械刺激誘発性不整脈実験をおこなった。これらの実験から伸展刺激誘発性不整脈に対するSAKCAチャネル(伸展感受性BKチャネル)や機械受容非選択的陽イオンチャネル(nSAC)などの関与が明らかとなったが、21年度後半はそれらの機械電気相互作用実験結果を心筋細胞数理モデルに統合するためのシミュレーション実験を行った。心筋細胞モデルとしては、Iribe-Kohl-Nobleモデルの電気生理・カルシウム動態モデルを用いた。伸展刺激によるnSACを介したナトリウム流入電流は背景ナトリウム電流のコンダクタンスを変化させることにより再現した。伸展刺激によるSAKCAチャネルを介したカリウム流出電流はMoczydlowskiらのBKチャネルモデルのコンダクタンスを変化させることにより再現した。機械刺激誘発性不整脈はnSACの活性化による脱分極によって誘発されるとされているが、このメカニズムは再現された。また、我々の実験結果に基づき、筋小胞体からのカルシウム放出を機械刺激に伴って増加させたところ、このメカニズムによっても不整脈が誘発されることが示唆された。背景K電流に伸展感受性を持たせた場合は機械刺激誘発性不整脈を抑制したが、我々の実験結果とは異なりSAKCA電流は機械刺激誘発性不整脈を抑制しなかった。現在の所、nSACの分子実態は不明でその数理モデルも確立されていない。背景電流のコンダクタンスを変化させるのみの単純なnSACモデルでは実験結果を完全には再現できなかったものと思われ、さらにnSACの電気生理的特徴を詳細に解明していく必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)