Project/Area Number |
20036002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50134838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (80311520)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | レニウム6核錯体 / d・π・p軌道 / 励起物性 / 白金錯体 / アリールホウ素 / アリルホウ素 |
Research Abstract |
レニウム(III)6核クラスター及びアリールホウ素置換基を有する遷移金属錯体における励起状態のp・π・d電子相互作用について研究を行った。Re(III)クラスター錯体の励起状態においては金属d電子の存在によりスピン・軌道相互作用が加わるため、極めて大きなゼロ磁場分裂を引き起こし、これがクラスター錯体の発光スペクトル及び発光寿命の温度依存性に反映されることを明らかにした。また、ターミナル配位子として電子受容性の4,4'-ビピリジンを含む場合には、励起状態においてp軌道電子の役割のためにmetal-to-ligand charge transfer(MLCT)性を帯びることを明らかにした。一方、アリールホウ素置換基を有する種々のPt(II)、Ru(II)、Ir(III)錯体を合成し、その分光学的・光化学的特性に対するp・π・d電子相互作用の効果を詳細に検討した。その結果、いずれの場合にも金属中心から配位子へのMLCTと配位子からアリールホウ素のホウ素上のp軌道へのCTが相乗的に相互作用することを実験的に明らかにした。このような相乗的な相互作用により、吸収遷移の遷移双極子モーメントが増大するとともに、これを反映して発光量子収率の増大と発光の長寿命化が観測された。特に、1,10-フェナントロリン(phen)の4-位にエチニル基を介してジメシチルドユリルボランを導入したRu(II)錯体においては、室温のアセトニトリル溶液中において発光量子収率=0.11、発光寿命=12μsと、Ru(phen)_3錯体の物性値とは異なる際立った励起物性を示すことを明らかにすることができた。
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