シアン化物イオン架橋多核錯体における多電子移動制御と物性変換
Project/Area Number |
20036009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
二瓶 雅之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00359572)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 多核錯体 / 電子移動 / マイッチング / 相乗性 / スイッチング |
Research Abstract |
ヘテロメタル多核錯体は、異なる電子状態をもつ金属イオンが相乗的に機能することにより、単核錯体では見られない特異な物性を示す。本研究では、鉄およびコバルトイオンからなるシアン化物イオン架橋多核錯体分子において、金属イオン間の相乗的物性を自在に引き出し、制御することを目的とした。その結果、溶液中で環状4核錯体[Fe^<III>_2Co^<II>_2(CN)_6(L1)_2(L2)_4](L1:三座配位子、L2:二座配位子)が、温度に依存して高スピン状態([Fe^<III>_<LS>(S=1/2)Co^<III>_<HS>(S=3/2)])と低スピン状態([Fe^<II>_<LS>(S=0)Co^<III>_<LS>(S=0)])を可逆に示すことを明らかにした。これは、異なる酸化状態をもつ鉄イオンとコバルトイオン間の電子移動に起因しており、二種類の金属イオンのエネルギー状態を配位子の電子的効果により極めて近接させることで初めて実現したと考えられる。さらに、配位子の置換基を変えることで、鉄イオン・コバルトイオン間の電子移動を論理的に制御できることを明らかにした。また、末端シアン化物イオンが弱い塩基性を示すことに着目し、プロトン添加による四核錯体の電子状態の変化について検討を行った結果、溶液中のpH変化に伴い、電子状態を連続的に変化させることに成功した。これは、異なる元素のもつ特性を組み合わせることにより始めて実現した複合物性の発現であり、元素の相乗的性を利用することで初めて成功したと考えられる。さらに、四核錯体をプロトンドナー性有機化合物で連結することにも成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)