新規な分子空孔の設計に基づく含カルコゲン元素相乗系化合物の創製
Project/Area Number |
20036016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 敬 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70262144)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 有機元素科学 / 酵素モデル / システインモデル / 硫黄化合物 / 窒素化合物 / S-ニトロソチオール / 立体保護 / X線結晶構造解析 / セレン化合物 / ヨウ素化合物 / ヨウ化セレネニル / ヨウ化スルフェニル |
Research Abstract |
生体内では、複数の高周期典型元素の相乗効果が機能の発現に重要な役割を果たしている例が多く見られる。しかし、高周期典型元素相乗系化合物の中には、人工系では二量化や不均化、自己縮合などを起こしやすいために不安定な化学種が多くある。本研究では、このような化学種を安定化するための反応場として独自に設計したナノスケールのボウル型分子キャビティを開発し、元素相乗系化合物の中でも高周期カルコゲン-ヘテロ元素間の結合を含む高反応性化学種の合成、構造、および反応性について検討することを目的とした。S-ニトロソチオール(RSNO)は、生体内において一酸化窒素の貯蔵・運搬に関わる重要な化学種であり、多くの研究がなされている。しかし、人工系では通常不安定であり容易に分解するため、その化学的および物理的性質については未解明の部分が多い。特に、システイン残基由来のS-ニトロソチオールのモデルとして最も適切な一級アルキル置換体は分解を起こしやすく、従来研究が困難であった。今回、独自に開発したボウル型立体保護基をを活用することで、安定な一級アルキル置換S-ニトロソチオールを合成・単離し、その結晶構造を明らかにすることに成功した。また、このS-ニトロソチオールは、既知のS-ニトロソチオールの中で最も高い熱安定性を有することがわかった。これらの結果から、従来の定説に反し、2分子間での分解過程が抑制された条件化では、S-N結合解離エネルギーが最も大きいと理論計算により予測されている一級アルキル置換S-ニトロソチオールが、三級アルキル置換体やアリール置換体に比べて熱的に安定であることが実証された。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)