元素相乗的な連続結合活性化に基づくホウ素・ケイ素・遷移金属複合系の新触媒プロセス
Project/Area Number |
20036029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大村 智通 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (00378803)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 合成化学 / 結合活性化 / 遷移金属触媒 / 結合形成 / 元素間結合 / 有機ケイ素化合物 / 結合活化性 |
Research Abstract |
遷移金属錯体による元素間結合の活性化をきっかけとして複数の結合活性化を連続的に引き起こす素反応過程に基づいた高反応性触媒中間体の効率的形成と、これを利用する触媒的結合形成反応の開発を目的として研究を行った。 平成20年度に実施した「研究項目2.メタル-シリレンを経由する他の不飽和炭化水素との触媒的結合形成反応の開発」において、炭素-炭素二重結合化合物との反応を検討した際に得られた知見に注目し、エチレンおよび末端アルケンとの反応についてさらなる検討を行った。その結果、ケイ素上にジエチルアミノ基を有するシリルボランを用いトリフェニルボスフィンを配位子に有するパラジウム触媒存在下反応を行うと、エチレン2分子とシリレン3分子が関与する炭素-ケイ素およびケイ素-ケイ素結合形成が進行し、7員環含ケイ素化合物である1,2,5-トリシラシクロヘプタンが良好な収率で生成することが明らかとなった。一方、スチレンや脂肪族末端アルケンの反応においては、アルケン2分子とシリレン2分子による6員環生成物が主として生成した。このような結合形成は本手法に特徴的な反応様式であり、メタルーシリレンを経由することにより初めて実現したことから、触媒反応設計の新指針となる重要な成果であると考えられる。これまでの検討で得られた知見を基にして、交付申請書に記載の「研究項目3.メタルーボリレンの効率的発生法開発」に取り組んだ。ボリレン前駆体としてホウ素上にジメチルアミノ基およびクロロ基を有するジボロンを複数種調製し、遷移金属触媒存在下不飽和炭化水素との結合形成を検討するとともに、生成が予想される有機ホウ素化合物を別法により調製しその物性について調査した。その結果、メタルーボリレンの効率的形成手法確立には至らなかったものの、今後の反応開発の鍵となる基礎的事項について十分な知見を得ることができた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)