求核中心-ルイス酸中心集積型触媒による極性結合の協奏的活性化
Project/Area Number |
20037012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉戒 直彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (50401170)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 分子触媒 / 不活性結合活性化 / クロスカップリング反応 / 有機金属化学 |
Research Abstract |
本研究では,不活性炭素-ハロゲンおよび擬ハロゲン結合の活性化における遷移金属と典型金属の協奏作用機構に関する研究と,それに基づく新規触媒系の開発を行っている.今年度は,ニッケル触媒によるフェノール誘導体とグリニャール反応剤のクロスカップリング反応およびフッ化アリールと有機亜鉛反応剤のクロスカップリング反応の開発を行った.まず,ニッケル錯体とヒドロキシホスフィン配位子からなる触媒が.アリールカルバメートやアリールホスフェートなどのフェノール誘導体とグリニャール反応剤のクロスカップリング反応を著しく加速することを見出した.これらのフェノール誘導体は,現在クロスカップリング反応に広く用いられているトリフラートに比べて安価かつ安定であるにもかかわらず,反応性に乏しいため利用例は数少なかった.我々の触媒は,これらの反応基質の有効利用に新たな道を開くものと言える.つづいて,ニッケル触媒によるフッ化アリールと有機亜鉛反応剤のクロスカップリング反応が.新たに開発した3座配位子であるヒドロキシビスホスフィンによって促進されることを見出した.本触媒系の適用範囲は広く,モノフルオロアレーンからパーフルオロアレーンに至るまで種々のフルオロアレーンに適用でき,また種々のアリール基,アルキル基を有する亜鉛反応剤を用いることができた.炭素-フッ素結合は最も強力な化学結合のひとつであり,その活性化は有機金属化学・分子触媒化学における重要な基礎的課題であったが.我々の知る限り,モノフルオロアレーンからパーフルオロアレーンまで適用可能な触媒系はこれが初めてである.また,部分的にフッ素化された芳香環は医農薬や液晶などの材料に含まれる重要な部分構造であり,今回開発した触媒はこうした分子を効率的に合成する上でも有用な手法となることが期待される.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)