Project/Area Number |
20037018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University (2009) Tokyo Institute of Technology (2008) |
Principal Investigator |
山本 芳彦 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60283412)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 遷移金属錯体触媒 / パラジウム / カルボニル化 / 安息香酸エステル / ルテニウム / メタラサイクル / 水和反応 / アルキン / パラジウム触媒 / ホモカップリング反応 / メトキシカルボニル化反応 / アリールボロン酸 / ルテニウム触媒 / アルキン環化三量化反応 / 協奏機能触媒 |
Research Abstract |
遷移金属錯体中間体において、その金属中心のみならず配位子が分子変換における結合形成/開裂に直接関わる協奏機能の発見と、それを応用した触媒プロセスの開発を目的として以下の研究を遂行した。 (1) パラジウム触媒を用いる芳香族ホウ素化合物の選択的アルコキシカルボニル化=Pd(0)種、p-キノン、有機ホウ素化合物、およびアルコール溶媒が協奏的に機能することにより、金属中心の酸化と結合開裂・形成が一挙に進行するため、余分な酸や塩基の添加を必要とせず穏和な条件で進行するアルコキシカルボニル化法を開発することができた。 (2) ルテニウム環状ビスカルベン錯体による水分子の活性化:両末端にフェニル基を有するジプロパルギルエーテルから調製されるルテナサイクル錯体を、アルミナカラムクロマトグラフィーを用いて精製しようと試みたところ、予期せぬサンドウィッチ型錯体が得られた。X線回折による構造解析の結果、水一分子からOHが取り込まれて生成したη^5-オキサペンタジエニル錯体であることが判明した。アルミナは副成するHCIを捕捉していると考えられるため、銀塩によるクロロ配位子引き抜き反応を検討した。その結果、銀塩としてAg_2Oを用いると予想通りにオキサペンタジエニル錯体が得られた。また副産物として双環状フランが低収率ながら得られ、銀塩をAgNO_3に換えたところフランが主生成物となった。今のところ鍵中間体であるη_5-オキサペンタジエニル錯体の生成機構は不明ではあるが、ルテニウム環状ビスカルベンの金属中心とカルベン配位子の協奏機能によって水分子を活性化している可能性があり、現在その詳細の解明と新規触媒反応への展開を行っている。
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