触媒的ビスメタル化における多元素系活性中間体の精密反応制御と相補的分子構造構築
Project/Area Number |
20037031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大村 智通 京都大学, 工学研究科, 講師 (00378803)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 合成化学 / 立体化学制御 / 遷移金属触媒 / 付加反応 / 立体異性体 / 有機ケイ素化合物 / 選択性制御 / 有機ホウ素化合物 / 立体制御 |
Research Abstract |
触媒的ビスメタル化の触媒サイクルにおける鍵化学種「多元素系活性中間体」の反応挙動制御に注目し、位置選択性の決定に関わる鍵因子を明らかにするとともに、この中間体の新たな機能開拓および相補的な分子構造構築のための方法論確立を目的として研究を行った。平成21年度は、平成20年度の研究において確立したアルキンの位置逆転シリルホウ素化を基に、交付申請書に記載の研究項目「精密分子変換手法への応用」ならびに「鍵中間体の同定と反応機構の解明」を主として実施した。位置逆転シリルホウ素化により調製した化合物をアルカリ金属の水酸化物で処理したところ、ケイ素上への酸素原子の導入とボリル基への分子内配位が連続的に進行し、5員環構造を有する4配位ホウ素化合物へ効率よく変換できることが明らかとなった。この4配位ホウ素化合物を用いてパラジウム触媒の存在下ハロゲン化アリールとの反応を行ったところ、通常反応の進行に必須となる塩基を必要とせずにボリル基部位でのカップリングが効率よく進行したことから、4配位構造形成による効果的なホウ素部位の活性化が達成されていることが明らかとなった。また、触媒的位置逆転シリルホウ素化の反応機構に関する知見を得るために、化学量論反応による検討を行った。パラジウム前駆体、1-ボリル-2-プロモアルケン、およびシリルリチウムの化学量論反応により、触媒反応中間体と想定されるパラジウム錯体の調製を検討したところ、錯体の形成は確認できなかったものの、触媒条件と同一の生成物が得られたことから、ボリル基の転位を伴なう素反応過程の存在が明らかとなった。本知見と平成20年度に得た知見を総合的に考察することで、位置選択性制御を合理的に説明可能な特徴ある触媒反応機構を提案することができた。これらの知見は、触媒的ビスシリル化を基軸とする精密有機合成手法の確立と新様式の触媒反応開拓に資すると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)