フッ化物イオンとカルベン配位子によるクロスカップリング反応の協奏制御
Project/Area Number |
20037033
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畠山 琢次 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (90432319)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 触媒・化学プロセス / クロスカップリング / 鉄触媒 / カルベン配位子 / フッ化物イオン / 鉄族元素 |
Research Abstract |
有機ハロゲン化物と有機金属化合物とのクロスカップリング反応は,近代化学を支える鍵反応の一つとして知られる.しかしながら,工業的に利用されている反応の多くはパラジウムやニッケルなどの希少遷移金属が触媒として用いられており,将来的な供給に課題を抱える.これに対し我々は,資源性に優れる鉄を触媒としたクロスカップリング反応の開発とプロセス化を目指して研究を行う.今年度は,これまでに開発したフッ化鉄-NHCカルベン触媒によるビアリールカップリング反応と塩化鉄-TMEDA触媒によるアリールーアルキルカップリング反応に関し,錯体化学,計算化学,および分光化学的手法を用いて反応機構解析を行った.その結果,各々,2価のアリール鉄を活性種とした2価-3価あるいは2価-4価の触媒サイクルを経由して反応が進行していることが明らかとなった.前者では,NHCカルベンが鉄中心の配位数を,フッ化物イオンが価数を制御していることが選択性発現の鍵となっている.一方後者では,共触媒としてマグネシウム塩が必須であり,協奏的な触媒作用が明らかとなった.更に,一連の反応機構解析を通じて得られた知見を基に塩化鉄-フェニレンジホスフィン錯体を合成し,これを用いた鉄触媒根岸カップリングおよび鈴木-宮浦カップリング反応の開発に成功した.更に,鉄触媒根岸カップリングを用いてパーフルオロアリール基をメソゲンとして有する液晶分子の短段階合成に成功した.
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)