Project/Area Number |
20038006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90143164)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 芳香族化合物 / 高周期14族元素 / メタロアロマティシティー / シクロブタジエン / 理論計算 / 遷移金属錯体 |
Research Abstract |
本研究では、芳香族化合物の中で最も基本的な化合物である高周期14族元素シクロプロペニリウムイオン、シクロブタジエンジアニオン、シクロペンタジエニドイオン、ヘキサシラベンゼンなどの一連の芳香族性高周期14族元素化合物の化学を実験的に展開し、理論計算との連携によりメタロアロマティシティーの概念を構築することを目的とした。本年度は、骨格にケイ素原子を3つ有するケイ素-炭素混合型6π電子系芳香族化合物トリシラシクロペンタジエニドの合成を展開し、理論計算との連携によりメタロアロマティシティーの概念を構築するとともに遷移金属錯体への利用することを検討した。 1.トリシラシクロペンタジエンに対し、2当量のKC_8を用いた還元反応後、LiBrによる対カチオン交換反応を行う事で、骨格にケイ素原子を3つ有するケイ素-炭素混合型6π電子系芳香族化合物トリシラシクロペンタジエニドを暗赤色の結晶として合成することに成功した。X線結晶構造解析で決定した構造において、Liイオンは五員環アニオン部に対してη^<5_->型で配位していた。さらに骨格結合長では、トリシラシクロペンタジエニドの二重結合は還元後いずれも,伸長し、逆に単結合はいずれも短縮していた。五員環アニオン上のリチウムイオンは誘起環電流効果のために大きく遮蔽されており、トリシラシクロペンタジエニドは溶液中及び結晶状態ともに五員環部にπ電子が非局在化した6π電子系芳香族化合物であることを明らかとした。 2.トリシラシクロペンタジエニドはシクロペンタジエニドの高周期類縁体であり、遷移金属錯体の新規な配位子として利用することを検討した。反応剤としてRh(CO)_2(acac)を用いることで、半サンドイッチ錯体である(η^<5_->トリシラシクロペンタジエニル)ジカルボニルロジウム錯体を得た。また、トリシラシクロペンタジエニドに対し1/4当量の[Cp*RuCl]_4を作用させることで、新規なサンドイッチ錯体(η^<5_->トリシラシクロペンタジエニル)(η^<5_->ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム錯体の合成に成功した。構造解析・理論計算から高周期シクロペンタジエニル配位子は強い電気供与性と共に、強い電子受容性を有する特異的な配位子であることを明らかにした。
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