Project/Area Number |
20038007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤阪 健 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60089810)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | フラーレン / 孤立五員環則 / スピン密度 / FET |
Research Abstract |
金属内包フラーレンとして、1991年に初めてLa内包フラーレンの合成と抽出が報告された。しかしながら、合成したすす中には存在が確認されるものの、有機溶媒中への抽出が困難なものが存在し、未知なる金属内包フラーレン(Missing Metallofullerene)と呼ばれている。本研究では、Missing Metallofullereneである未解明の常磁性金属内包フラーレンLa@C_<80>、および新奇なLa@C_<82>異性体に着目し、それらの誘導化による抽出と単離を行った。また構造解析および物性解明を行うことによって、それらMissing Metaliofullereneの実態を明らかにした。 合成したすすの1, 2, 4-トリクロロベンゼン抽出物からLa@C_<80>のジクロロフェニル付加体が得られ、2つのグループに分けられる6種類の異性体が存在することが分かった。その中の主生成物である1つの異性体について、単離および単結晶X線構造解析に成功した。 La@C_<82>は、ケージ構造の異なるLa@C_<82>(C_<2V>)とLa@C_<82>(C_s)の2種類の異性体が知られている。これらは通常の溶媒で抽出され、特にLa@C_<82>(C_<2V>)は主成分として生成しプロトタイプの金属内包フラーレンである。1, 2, 4-トリクロロベンゼン抽出を行うことにより、La@C_<82>のジクロロフェニル基付加体を得た。このことは、これまでに発見されていない新奇なC_82ケージを有し、不安定なために通常では抽出.単離されないLa@C_<82>が誘導体として抽出されている可能性が高い。そこで、La@C_<82>誘導体の単離を行い、各種スペクトルによる構造解析を行った。また単結晶X線構造解析にも成功し、La@C_<82>ジクロロフェニル付加体は上記のいずれでもない構造を有することが明らかとなった。
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