有機イオンビーム法を用いた反応実験による有機反応論の検証
Project/Area Number |
20038049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高口 博志 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40311188)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 化学反応ダイナミクス / 有機反応論 / イオン・分子反応 |
Research Abstract |
前年度までに製作したイオン・分子反応実験装置に波長可変紫外光源によるイオン化法を導入し、NOイオンおよびメチルラジカルイオンの状態選別イオンビーム発生実験を行った。反応実験における衝突エネルギーは、イオン電極群により0.1から10eVの範囲で制御されるが、衝突エネルギー幅の下限が、前駆体分子線の並進エネルギー幅で与えられることが昨年度までに行ったイオン経路シミュレーション計算により示されていた。発生したイオンビームの衝突エネルギー幅を評価するために、前駆体分子線の共鳴多光子イオン化スペクトルを測定して、回転温度を並進温度に近似して解析したところ、分子線回転温度は4Kであった。これは分子線速度1800m/s(He希釈気体試料)を仮定したときのエネルギー分解能15%に相当する。パルスバルブおよびバルブ周辺の分子線発生領域の仕様を大幅に改良したことにより得られたこの狭い速度幅は、衝突エネルギー0.1eVまでの超低エネルギー反応実験が有意に実行できることを示している。イオン経路シミュレーション計算が、生成プロトンを検出対象とした際に再捕捉効率が著しく低下することを示したことから、イオンガイドの改良が必要とされた。これは、反応セル通過後の生成物イオンの再捕捉に対して、反応熱による反跳エネルギーが大きく影響するためである。市販のRF発振器とRFアンプを発振段および増幅段として、コア条件の異なる複数の共振式インターフェース回路を組み合わせることで、1~30MHz全域において100V以上のRF電圧を供給できるシステムを完成させた。これにより高発熱反応とプロトン反応を対象とできるようになった。前年度までの装置シミュレーションにおいて問題となっていた技術的問題点を解決し、状態選別した分子イオンの衝突エネルギーを制御した反応実験装置を完成することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)