Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
宇宙膨張を加速するダークエネルギーの謎は、現代物理学および天文学上の最大の難問である。超広視野の大規模銀河分光サーベイによるバリオン振動測定は、宇宙物理的な系統誤差が少ないダークエネルギーへのアプローチとして世界的に期待されている。銀河の密度揺らぎのパワースペクトルに現れるバリオン振動スケールは基礎物理過程がよく理解されているので、このスケールを「ものさし」として使うことで、宇宙の幾何学的構造を精密に測定することができる。FMOSを用いてバリオン振動探査を行おうという計画が日英豪のFMOSチームを中心に検討されている(FastSound計画)。平成21年度においては、具体的なサーベイデザインの検討がさらに進んだ。最も大きな進展は、FMOSの試験観測のデータがついに出てきて、実際の感度をもとにターゲット選択を議論できるようになったことである。実際にSXDSやCFHTLSの領域を観測し、サーベイに必要なターゲット選択の手法が実際に有効であることを示すデータが出てきつつある。また、6月のイギリス、オックスフォードでの日英ミーティングでは、バリオン震動の他、赤方偏移空間歪曲を用いた重力理論の制限によるダークエネルギー研究も重要なサイエンス目標として認知された。22年夏と予想される戦略枠プロポーザルの作成に向けて、さらにサーベイデザインの精度を高めてゆく。そのための、様々な系統誤差の検討を行いつつある。たとえば、撮像サーベイにおける測光精度や、FMOSの視野形状などに起因するサーベイ領域の非一様性、FMOSにおけるOH夜光除去に伴う特定の赤方偏移の銀河の欠損などが与える影響を、現実的なシミュレーションなどをもちいて正確に見積もり始めた。
All 2010 2009 2008
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (2 results)
PASJ 62
10026713621
The Astrophysical Journal 708
Pages: 1119-1134
The Astrophysical Journal 707
Pages: 1634-1641
Astrophysical Journa 693
Pages: 507-533
PASJ 60
Pages: 1327-1346
Proc. S. P. I. E. 7014