Project/Area Number |
20041004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 大 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80252576)
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | ガンマ線バースト / ブラックホール / 重力崩壊 |
Research Abstract |
近年の多波長にわたる天体観測の結果、少なくとも一部のガンマ線バーストは超新星爆発に付随して発生することが分かった。すなわち、大質量星の重力崩壊に起因して大量のガンマ線が数ミリ秒から数分の間に発生することが明らかになった。高光度のガンマ線が短い時間内に放射されるので、その中心動力源はブラックホールおよび高温高密度の降着円盤からなるものと推測される。つまり、大質量星の重力崩壊の結果ブラックホールと降着円盤からなる系が誕生する場合に、ガンマ線バーストが発生するものと推測される。本研究ではそのような系の形成過程や形成条件を、有限温度の現実的状態方程式、原子核による電子捕獲およびニュートリノ放射冷却を考慮した空間多次元の完全に一般相対論的数値流体シミュレーションによって調べ、ガンマ線バーストの中心動力源の形成理論を構築することを目的している。今年度は特に、種族III星の重力崩壊を調べるため、初期恒星質量を100〜150太陽質量と仮定し、中心温度を約70億度、中心密度を1000万〜1億グラム毎立法センチメートル、質量3〜5太陽質量の回転する鉄の中心核を初期条件としている。このように質量の大きい中心核の重力崩壊では、崩壊後すみやかにブラックホールが形成され、その後ブラックホールと降着円盤からなる系が誕生すると考えられる。今年度12月初期までは、回転が無い場合にまずは着目し、重力崩壊の初期段階までシミュレーションを実行した。そして、この段階における重力崩壊の様子やニュートリノ放射量が既存の球対称計算とよく一致することを確認した。特に、重力崩壊で原子核組成が変わるために弱いバウンスが起こることを再確認した。今後は、(1)ブラックホールの誕生とその後の進化を追う計算、および(2)回転を加えた計算を、予定とおり着実に実行していく予定である。
|