強磁性‐非磁性接合の非磁性層における伝導電子スピン状態ダイナミクスの実験的解明
Project/Area Number |
20042008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
今田 真 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (90240837)
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | スピン流 / 光電子分光 / 磁気円二色性 / 光電子顕微分光 |
Research Abstract |
スピン流によって非磁性層にスピン偏極電子状態が発現すると予測され、その時間変化や強磁性-非磁性界面からの距離に対する依存性を明らかにすることでスピン流のメカニズムに直接迫れると考えられる。スピン流によるスピン偏極電子状態を観測するための予備研究として、磁性層と非磁性層から成る二層膜について光電子顕微鏡を用いた軟X線磁気円二色性顕微分光実験ならびに光電子分光実験を行った。光電子分光実験では、磁性層と非磁性層の両方からの光電子シグナルが観測された。磁気円二色性顕微分光では、磁性層と非磁性層のそれぞれの元素の光吸収に対応する光エネルギーを選び、光源の円偏光を反転させることで、それぞれの層のスピン偏極度を別々に測定することを試みた。磁性層のスピン偏極状態とその場所依存性は数十nmの空間分解能ではっきり観測された。一方、今年度放射光施設で得られたビームタイム内では、非磁性層のスピン偏極状態の光電子顕微鏡による検出にはいたらなかった。非磁性層のスピン偏極状態は小さいので、それを検出するにはさらにシグナル-ノイズ比を上げる必要があると結論付けられる。具体的には、磁性層がある程度大きな(10マイクロメートル程度)の面内磁区構造を持ち、それによって広い面積にわたって非磁性層のスピン偏極状態を積分することでシグナル-ノイズ比を上げる事が必要と考える。このためには、vortexタイプの閉じた磁区構造を持つ長方形あるいは正方形の微細構造で10マイクロメートル程度の大きさのものが必要である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)