Project/Area Number |
20042009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
川越 毅 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (20346224)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | スピンSTM / 準安定bcc Co薄膜 / L1_0-FePt(001)規則合金薄膜 / スピン偏極表面準位 |
Research Abstract |
研究初年度は、現有の超高真空対応STM/MBE装置を用い1)Cr(001)上準安定bcc Co薄膜のスピン偏極表面準位の検証2)FePt(001)規則合金薄膜清浄表面の作製とそのSTM観察について研究を行なった。 1)Cr(001)上に作製した準安定Co超薄膜の成長とそのトンネルスペクトルをSTMおよびLEEDを用いて詳細に調べた。Cr(001)清浄表面に特有なスピン偏極表面準位を確認後、Co3ML室温蒸着後のSTMとLEED観察の結果、Co超薄膜はbcc構造であることを確認した。Cr(001)清浄表面およびCo3ML室温蒸着後のSTSスペクトルを比較した結果、-40mV(Cr), +150mV(Co)に明瞭なピークが観察された。Cr(001)のピークはスピン偏極表面準位に対応する。Co薄膜で観測された明瞭なピークの起源は、第一原理計算から求めたDOSと比較した結果、ほぼ100%スピン偏極したd_z^2軌道によるスピン偏極表面準位であることがわかった。 2)東北大で作製したL1_0-FePt(001)規則合金薄膜の清浄表面作製をAr^+エッチングと熱処理によって行い、STMおよびオージェ電子分光(AES)を用いて評価した。Ar^+エッチング前後のAESからFe, Ptシグナルのほか炭素のシグナルが観測された. Ar^+エッチングのみでは、表面の炭素(C)を30%までしか除去できなかったが、エッチングと400℃アニールの繰り返しによってエッチング前の10%以下まで減少させることができた。4その結果、原子レベルで平坦なテラスが形成された。単原子層の高さを調べた結果2.10(±0.15)A、1.70(±0.15)Aの2種類の異なる単原子層の高さが確認できた。現在その詳細を検討しているが、両者の和は3.80Aであり、この値はFePt L1_0規則相のc軸格子定数と一致する。
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