Project/Area Number |
20042010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石川 潔 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 准教授 (00212837)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | スピン流 / 光ポンピング / 核磁気共鳴 / スピン注入 |
Research Abstract |
最近、気体アルカリ金属原子を光ポンピングするとアルカリ塩の核スピン偏極率が増大することを発見した。本研究では、この新しい手法をアルカリ塩だけでなく、一多くの固体に広く応用できるようにずること、その第一の目標物質として半導体シリコンを想定しスピン偏極の注入機構を調べることを目的とした。これまでの磁場9.4Tと2-7TのCsH塩を使った実験では、気体原子の運ぶ電子スピン流と核スピン流のどちらも固体の核スピン偏極に影響を与えているとみられる結果が得られているので、その点に注目し研究を進めた。今年度の実験では、永久磁石により0.56Tの磁場を発生させ、気体Cs原子を光ポンピングし、CsH塩のCs核をNMR計測した。CsH塩を選んだ理由は、高磁場の実験結果と比較するためである。これまでより1桁弱い磁場なので、表面におけるスピン相互作用についで新たな情報を得られると期待する一方、光ポンピングしない熱平衡のINMR信号が非常に小さく、当初、NMR信号の変化を観測できるかどうか心配した。しかし、よい意味で期待を裏切り、NMR信号の増大を観測できた。理論計算においては、磁場0.56Tにおける原子気体のスピン流を計算し、信号増大の励起波長依存性と比較し検討している。順調とはいえないが、研究計画のうち、低磁場の光ポンピングによりNMR信号を増大させる部分は成功した。今後、固体へのスピン注入機構をさらに詳しく調べ、常磁性電子濃度の異なるシリコン結晶とアモルファスシリコンで、原子気体の光ポンピングを試したい。
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