Project/Area Number |
20043012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田丸 博晴 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (30292767)
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | ナノオプティクス / ナノ材料 / 微小共振器 |
Research Abstract |
金属ナノ構造の光学応答について、遠方場でのスペクトルやその強度について定量的な測定を行ない、基板や配列など、現実の観測環境の影響を考慮した定量解析を進めた。構造が数十ナノメートルのスケールであるため、基板と構造の距離は無視するには大き過ぎるが、コヒーレンス長の短い古典光源を用いたとしても、十分に干渉を示す程度には短いという特徴的な領域にあることが確認された。このことによって基板上の試料は透過分光と反射分光において異なるスペクトルを示し、また、反射分光においては表から入射する場合と裏から入射する場合でもスペクトルが異なることが、実験的にも、解析的にも示され、これらが良い一致を示すことが確認された。特にアンサンブルの系では、構造間の相互作用として、光近接場相互作用、伝搬波相互作用、基板や雰囲気からの近接場相互作用など多くのパラメータの影響が強く現れ、マクロな系としての応答を議論する上では単にナノ構造の形状のみを議論するのでは必ずしも十分では無いことが分かった。 一方で、このような系を数値的に解析する際に良く利用される、有限差分時間領域法(FDTD法)の解析精度についても検討を進めた。一般に単純な数値誤差だと理解されていたFDTD法の非収束性について、これまでにもそれが単純な誤差と考えるにはあまりにも系統的であると指摘してきたものであるが、これが、古典電磁気学における基礎的な事象によって説明できるということを確認した。連続体による表面に段差がある場合、この表面をTM波によって提起すると、段差に沿った磁気双極子モーメントが発生するということを示し、誤差の問題もこれに従って物理的な現象として解釈できるということを示した。
|