銀ナノ微粒子凝集体と色素分子会合体の光-分子結合相互作用による特異な光応答
Project/Area Number |
20043032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
尾崎 幸洋 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (00147290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北濱 康孝 関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (00342775)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 表面増強ラマン散乱(SERS) / 局在表面プラズモン共鳴(LSPR) / 色素分子会合体 / 銀ナノ微粒子凝集体 / 偏光依存性 / チアシアニン / チアカルボシアニン / 単一会合体測定 |
Research Abstract |
チアシアニンJ会合体を吸着させた銀ナノ微粒子凝集体を水中に置いて表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS)を観測した場合、J会合体の通常ラマンスペクトルと同一にピークが出現する背景発光を伴ったスペクトルから、背景発光を伴わずピーク位置が時間揺動するスペクトルに変化した。これはJ会合体が溶解して単量体・二量体になったためと考えられる。このように、会合体と単量体・二量体でSERRSが大きく異なるという現象を見いだすことができた。 JあるいはH会合体を生成するエチルおよびメチルチアカルボシアニン分子を吸着させた銀ナノ微粒子凝集体を塩水中に置いて表面増強ラマン散乱(SERS)を観測した場合、1600〜1000cm^<-1>でのピーク出現位置はほとんど同じであったが、エチルチアカルボシアニンからのSERSは長時間経過後も観測されるのに対して、メチルチアカルボシアニンからのSERSは短時間で消滅するという違いが見られた。これは、J会合体が分子平面全体で安定的に銀表面に吸着し長くSERSを示すのに対して、H会合体は分子の縁のみで吸着しているので不安定で脱離しやすくSERSが急速に減衰するためと考えられる。メチルチアカルボシアニンが吸着した単一銀ナノ微粒子凝集体からのSERSの減衰速度が離散的な値を示したが、これは単一会合体の配向の違いによると考えられる。すなわち、銀表面に対して水平に配向したH会合体、垂直に配向したH会合体、そして銀表面に対して水平に配向したJ会合体が、それぞれ異なる減衰速度のSERSに相当しているのであろう。このように、SERSの減衰速度からJあるいはH会合体の配向方向を推測できると言える。さらに推定した配向方向によるプラズモン・SERS偏光依存性の違いをも測定可能とするものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)