Project/Area Number |
20044006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 正規 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30247217)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 細孔性ネットワーク錯体 / 光異性化 / その場観察 / X線回折 / レチナール / ホストーゲスト / ラジカル / 亜鉛 |
Research Abstract |
細孔性ネットワーク錯体が有する配位空間において溶液中とは異なる光応答性分子の異性化挙動を見出した。その異性化挙動をその場観察X線構造解析や種々の分光法により検討した。アクセプター性配位子で構成される三次元細孔性ネットワーク錯体にレチナールを包接させた。暗下において取り込まれたレチナールを抽出するとall-trans体とともに13-cis体が得られた。異性化挙動を検討した結果、この異性化挙動が位置選択的であることが分かった。[(ZnI2)3(TPT)2]n(TPT=2, 4, 6-tris(4-pyridyl)-1, 3, 5-triazine)に包接されたレチナールは、通常のall-trans体およびall-trans体の単結合が回転して大きくねじ酒た構造体が存在していることが判明した。 1. 暗下でのレチナールの異性化挙動2) ネットワーク錯体に包接されたレチナールを、クロロホルムを用いて抽出したところ、all-trans体と13-cis体が3 : 1の割合で存在することが1H NMR法の結果明らかになった。その異性化挙動を解明するためにESRを測定したところ、室温でラジカル種が0.1%程度存在することが分かった。つまり、X線構造解析で得られた構造体の大部分は、閉殻種であり、抽出の過程でアクセプター性のホストとレチナールの間での電子移動が起こるために、レチナールのカチオンラジカルが生成し、暗下でも容易に異性化が進行したと推測される。 2. 結晶相光反応生成物のX線構造解析 KEK NW2Aにて、レチナール包接ネットワーク錯体単結晶を85Kおよび17Kに冷却し、それぞれ366nmの紫外光により光照射を行い、X線回折データの測定を行った。その結果、細孔内において光異性化の進行に伴い、all-trans体から構造が変化したことを確認した。今後精密な解析を行う予定である。
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